短信…無職という日常

 ずーっと更新しなかったけどちょっとは更新しとこうかと思ってこんな投げやりなエントリをば。


■長い長いエントリの下書きをしていたのだが、なんだか書くのに飽きてしまったので更新しなかったのだった。かなりな勢いでテンションが落ちている。というか、エントリ書かないと一日が有効に使えて楽しいんだよね。エントリ書き始めるとすぐ三時間とか経っちゃって貴重な昼間が瞬く間に過ぎてしまうので。本末転倒か。


■そういうわけで今は無職生活をエンジョイしている。図書館に行き、古い本を物色して読む。新刊を一冊買って読んだら、そこから興味が赴くところを三冊とか四冊図書館で借りて読む。消費不況を推進しているのか俺。


■先日読んだちくま新書快楽の効用 −嗜好品をめぐるあれこれ−』(雑賀恵子)が面白く、とくに砂糖についてグッと来たので図書館で『砂糖の文化誌−日本人と砂糖−』(伊藤汎監修)とか『太りゆく人類−肥満遺伝子と過食社会−』(エレン・ラペル・シェル)を借りて読んだ。砂糖はアルコール・ニコチン・カフェインという三大依存物質が普及する際に必ず彼らの伴侶として用いられた食品で、かつ砂糖自身も依存物質っぽく用いられる。つまり依存物質メジャー4とも言うべき偉いやつで、依存物質に目がない僕にはとても気になる存在なのだった。


■洋菓子屋にはパティスリー・コンフィズリー・グロスリーの三つのジャンルがある、なんてどうでもいい知識を得たりする。砂糖は別に法で規制されたりしてないので街中の至る所に遍在している。八百屋の店先に積んである上白糖はどこから来たのだろうか? 沖縄から(甘蔗糖)か、北海道から(甜菜糖)か。京都に行って和三盆を可愛く固めた菓子を買って食べたいな。などなど。


■さらにどうでもいいことだけど、完全にタバコを止めてしまった。ニコチンのない生活はかなり寂しい。けど、タバコを吸うたびに期待がはずれた感じ、失望感を味わい、それでもまた吸ってしまうというつまらない循環を繰り返していたのに比べると、タバコを吸わない毎日は楽だ。そもそもストレスのない日常なのでタバコなんて吸う必要はまったくないのだ。(ストレスがないのがストレス、ということもあるのだが)


■本を買わず、酒もそれほど飲まず、タバコをやめると、毎日の支出も劇的に減る。いま僕の最大の支出は年金・国民保険・地方税を除くと、近所の八百屋での買い物だ。昼飯も外食せず自分で作るようになった。夜はとくにがんばって作っている。夕方から作り始め、19時前には四品くらいできてる状態を目標にしてる。最近は魚屋で買い物することも覚えたので野菜料理だけじゃなくてタンパク質も大量に摂るようになった。


■3バイ420円のスルメイカをさばいて塩辛を作る。昼ご飯のおかずは塩辛だけで十分だ。あるいは4匹420円のサンマ、2匹は塩焼きで食べるけど2匹は三枚におろして酢で締める。一食につき半身ずつ食べる。そして最近凝ってるのが生筋子だ。ほぐしてイクラの醤油漬けを作る。5%食塩水などに浸けて処理しろ、というレシピが多いが、「手を浸けると熱いくらいの湯に浸けてほぐす」という革命的レシピを発見した。こうすると筋子の周りの膜が白化してほぐしやすいのだ。湯の中で作業してるとイクラの粒々も白化して「大丈夫か?」と不安になるが、後で醤油・酒・だし・みりんの汁に漬けるとぴかぴかのイクラに戻ってくれる。美しい。売ってるやつより薄味に作れるのもいい。塩辛にしなかったイカの身といっしょにご飯に盛るとイカイクラ丼だ。函館に行かなくてもそこそこ美味いやつを家で食える。


■シラスも好きだ。シシトウといっしょにオリーブオイルとニンニクで炒めるとペペロンチーノになる。こないだシシトウと間違えてアオトウガラシで作ってしまった。辛くて大変だったが発狂しそうになりながら完食した。自分で作ったものを捨てる気にはなれない。だから太ってきた。浅田真央も自炊したから太ったってか?


■あるいは季節がもうほとんど終わってる桃、今は八百屋に黄色い桃がちょっとだけ居る。これを買ってきて、食べようとするとあまりに硬いので細かく切ってヨーグルトに漬ける。数日するとまあなんとか食べられるようになる。そういうものが冷蔵庫にいくつも入っている。会社に行ってた頃は自炊なんてほとんどしなかったので冷蔵庫には使わないスパイスとたまに家で飲むときにつまむチーズくらいしか入ってなかったが、今はいろんなものが入っている。野菜室の点呼が大変だ。八百屋の店頭から電話すると中身を答えてくれる冷蔵庫とかあるといいのにね。


■ニンジンを荒っぽい千切りにするおろし金がある。沖縄で買ったものだ。ニンジンシリシリという、人参の千切りを卵と煎った一品のための専用おろし金だ。ニンジンシリシリは簡単に一品増えるので楽だ。味も良く、とてもニンジンだけとは思えない充実度。沖縄では青いパパイヤもこれでおろして炒めるらしい。沖縄の道ばたとか庭先にはパパイヤの木が実をつけているよね。東京も暑くなってるのでパパイヤが自生するようにならないかな。今度パパイヤを食ったら種をとっておいて、街路樹の根元に埋めてみよう。


■今夜の夕食は、塩辛・イクラ大根おろし・山芋千切り卵黄あえ・山芋明太子あえ・ポテトサラダ・イカと大根煮・胡瓜酢の物シラスがけ、だった。やけに根菜、やけに魚卵というメニューだけど。夏場は暑くて煮物をする気になれなかったけど、これからは煮物が旬だ。煮物は翌日も食べられるので簡単に一品増やせていい。主婦の知恵素晴らしい。


■もっと寒くなると鍋の季節だ。カレー鍋が流行ったのは一昨年だったかな? 去年はトマト鍋を流行らそうとしたやつがいたけど流行ったのだろうか。今年は何か。味噌仕立てを研究してみるか。それとも中華風火鍋を家で再現してみるか。


■そんなことより、ちゃんと炒め物ができるようにならねば。中華鍋をあおって水分を飛ばすとか、手際よく炒めて炒めすぎないとか、熱いうちにきれいに盛って出すとか、そういう基本的なことができるようになりたい。菜箸がうまく使えないのだった。だからスパチュラを使ってる。プロみたいに丸お玉で炒めるとか、やってみたいね。