本は売ってしまった……引っ越しの支度

 今月末に引っ越すのでアパートを片付けている。まず大量の本とCDを整理した。
 本なんだけど、前に「捨てる」と書いたけど、すみません、結果的にはBOOK・OFFに売ってしまいました。バスタブ4杯分くらいの量になったのですが、一度に捨てることができなかったのです(業者に電話したら「そうたびたびは来れない」と言われてしまい)。少しずつお店に持ち込むことが可能で、買ってくれなかったものは処分してくれるBOOK・OFFが結局いちばん処理能力が高く、ここに頼らざるを得なかったというしだい。正直、忸怩たる思いですが、いま現在古本に関してもっとも使い勝手が良い業者はBOOK・OFFなのは事実だと思う。
 僕の本は1/3くらいは買い取り対象にならなかったようです。20年くらい持ってる本はたとえ直射日光に晒されていなくても背あるいは小口が焼けている。二見書房のバタイユ著作集や福武書店色川武大阿佐田哲也全集はそれだけではねられたみたい。ま、そんなもんか。岡田英弘の本が何冊か戻ってきたのでぱらぱら見返してるとやっぱり面白くてつい読み込んでしまったり。
 会社入って給料もらうようになって喜んで買ったセリグマンの『魔法』(人文書院)とかは今Amazonを見ると4,800円の値がついたりしてるけど、オークションに出す時間的余裕もないのでこれもBOOK・OFF行き。ま、そんなもんか。他にも講談社松谷みよ子全集とか手放すのが悲しい本は数々あれど、造本が豪華すぎる本は所蔵するのも実家に送るのもコストがかかりすぎるのでこれも手放した。
 BOOK・OFFは新刊書店を食ってる、という批判があるけれど、読み終わった本を処分するスキームがしっかりしていない現状ではその存在を認めざるを得ないところがあるんじゃないか…と思ったり。買い取らなかった本を彼らが廃棄すると事業ゴミとして課金されると思うけど、それをサービスでやってくれてる(?)のはありがたいと思うところなのです。
 本の処分には断続的に1週間くらいかかった。手元に残ったのは靴箱一杯の歴史の本くらいだった。ぬまじりよしみ、さそうあきらなどのもう手に入らないコミックは処分せずに実家に送った。


 CDの処分だけど、1000枚ちょっとあるとやはりしんどい。こっちは埃を払いながら一晩かかった。
 これも処分したくないやつを仕分けした。もっともCDはほとんどiTunesに取り込んでいるので片端から処分してもいいんだけど、レナード・コーエンジョン・ゾーン、マリア・マッキー、マールタ・セベスチェーン、スティーブ・ライヒ、とかは捨てるに忍びないので実家に送る。といってもケースに入れたままだと大変な容積になるので、ケースは捨てて中身だけにした。
 
 まずケースを開けてばらばらにして、紙類とお皿だけにする。
 
 50枚のCDがこれだけの容積に。
 
 こんなにコンパクトになる。バルトーク全集(30枚くらい?)の箱に100枚入る。


 ライバッハ、デスインジュンとか80年代にハマッた音楽家たちの懐かしいCD見ると、ああこいつら今どうしてんだろな、とか思ったり。デスインジュンはダグラス・P一人になって豪州で活動してるらしいけど、バンドが一人になると寂しくないのかな?とか思う。こういうのも捨てずに取っとく。マイナーな音楽家は一人でサイトを立ち上げてMP3を売ったりしてるので、もう二度と音源が手に入らないという事態は少ないみたいだけど。えらいね。問題なのは、メジャーどころと契約してたんだけど最近見ない人たちか。
 正直、20年分のCDを見てると音楽家としてずーっと生きるのがとても大変なことがわかる。僕が好きだった音楽家で20年コンスタントに仕事してるのは女たらしのユダヤレナード・コーエンくらいではないかと思ったり。この人はすごい。愛人?というか相方の女ボーカリストをとっかえひっかえずーっとやってる。
 才能をたのみに生きるのは素晴らしい。だけど、厳しい。そんなことを考えながら引っ越しの支度をしていました。